言葉の定義と概念について

「定義」ということについてお話をしますね。
広辞苑によると「概念の内容を限定すること。即ちある概念の内包を構成する本質的属性を明らかにし、他の概念から区別すること。〜中略〜」難しいですな。
つまり自分の言いたいことは「こうだ」とわかっていると、説明しやすいのです。
ところが、この定義を説明しないままに「自分の考えを理解しろ」と言ってみても、言われたほうがカッチリと受け取っていないと、意味がないですもんね。

たとえば「接客を良くしろ」という指示が出たとします。
これは業種によって求められるものが違うと思いますが、レストランのホールの場合、指示を出した側は気配り・目配りでさりげないサービスを期待していたのに、指示を受けた側がお客様への大きくハッキリとした声で応対することと考えていたとします。
上司は「はい、わかりました」と君は答えたのになんで大きな声を出すのと思いますし、部下は「言われた通りにしているのに」なんでやねんとなってしまいます。

言葉の重要さ、概念の扱いがいかに大きく作用するかということです。
おやじが申し上げたいのは、皆さんがいかに無造作に言葉を使い、曖昧な概念で言葉の意味を共有しているかということです。
自分と相手とでは、ある言葉の定義がまったく違うかもしれないのに、その内容を確認することなく、「わかったつもり」で使っているのでは・・ということです。
養老孟司さんの「バカの壁」もこのあたりの指摘があったのではないでしょうかね。

「結婚」について何を思いますか?
ある人は幸せへのゴール、ある人はスタート。
男性は外で働き、女性は家を支えるという考えと、男女は共同して家事や子育てをするべきという考えもあります。
子供を持つのが楽しみもあれば、絶対に子供はいらないという主張もあります。
愛しあうふたりであるべきもあれば、楽しみは家庭の外でと公言する人もいます。
世界の20くらいの国では認められているそうですが、同性愛による結婚もあります。
「結婚」に対する概念が違うふたりが一緒になったら・・恐ろしいですね。

ちょうど、ある男性会社員に対し、私は運を向上させるために「柔軟性」を持ってくださいとアドバイスしました。普通の占い師であればそれだけですわ、たぶん。
私の場合は、その男性に「柔軟性」ってどういうことだと思うと尋ねたのです。
人に合わせること、自分を抑えることと彼は答えました。
私は、「物事にはいろいろなやり方がある」ことを知ることが柔軟性だと言いました。
たとえば、岡山駅から表町に行けという指示があったとします。
天満屋の坂本さんや高橋尚子さんは、走って行くのではないでしょうか。
自転車、バイク、バス、タクシー、電車、徒歩、マイカー、レンタカーなどここで考えただけで10通りくらいありますよね。
どれが正解だと皆さんは思いますか?
どれも正解なのです。
それは、どの方法でも駅から表町に行くことができるからです。

しかし、状況によって選択すべきものは違いますよ。
天気、人数、時間、金額、手間・・それによって選択は変わってきます。
6人いて、お金はかかってもいいから早く着くことという条件があれば出てきますよね。
相手のやり方に根拠があると知れば、対応も変わってきます。
だってズボンのはき方だって、3通りますかよ。
ズボンをかっちりとはけばいいのであれば、どの足からでもいいじゃない。
柔軟性を持つと、こだわり方が変わってくるのです。

私は言葉を使う占い師です。
ですから、言葉の使い方には注意しますし、言った言わないということのないよう文書にして鑑定を出します。当然年まわりや、くだらん天中殺や大殺界のせいにはしません。

相談者の悩みも、「意味するもの」を確認し、悩みを共有することで解決の方向性を一緒に考え、明るい未来を作るようにしています。

「幸せ」も、100人いれば100通りの「幸せ」があるはずです。
他人からの押し付けなんて、ツライばかりでしょう。
あなたの「幸せ」を考えればいいのです。

家庭や会社で上司・部下・子供・家族の関係で悩んでいる皆さん、一度自分の言葉の意味するもの「定義」を話題にし、あるべき姿を討論し、「定義」を共有してみませんか?
新しい発見があると思う、おやじです。