薬局、スポーツショップ、コンビニに行ってもサプリメントのコーナーがあります。
それだけ多くの需要があり、さまざまな人が飲んでいるということです。
中にはひとりで53種類も使っている人もいるとか・・
生活習慣病や老化には栄養が深くかかわっていることは事実であり、病気の予防や健康維持・増進に有効であるとされる栄養はたくさんあります。サプリメントがもてはやされているのは、このような知識が一般化しているからでしょう。
ところが、有効性が立証されているものは少ないというのです。
動物実験では効果があっても、いざ人間ではどうなるかがわかっていないというのです。
たとえばビタミンCでは、これが不足すると貧血、壊血病になることは知られていますが、大量に使用した場合のがんや動脈硬化に対する予防効果は結論が出ていないそうです。
がんを予防するとされていたベータカロチンの服用が、喫煙者に対してはむしろ肺がんになる危険をアップさせるという結果すら出ています。
食物繊維は脂肪や発がん物質の吸収を抑制しますが、多量摂取してしまうとカルシウムの吸収を抑制してしまいます。ビタミンAの過剰摂取がかえって健康に悪いこともあるそうです。
これだけたくさんのサプリメントがあふれている現状でも、同時に使用した場合や医薬品と併用した場合の複合作用についてはわかっていないのです。
「養生訓」(貝原益軒)に「薬補は食補にしかず」とありますが、薬より食事が大切であることをあらためて考え直してみる必要があります。ビタミンやミネラル、食物繊維などを含め、すべての栄養素は基本的に食物からとるべきだということですね。
ただ、女性の鉄分不足、高齢者のビタミン・ミネラルの不足、体質によってはサプリメントが有効な方もおられるということですから、専門家のアドバイスを受けて上手に使うのがいいようです。