東京大学社会科学研究所では2005年度から、希望学プロジェクトを開始しました。
希望とは何か?
希望はどこから来て、そしてどこへ行くのか?
希望と社会のあいだの本質的なかかわりとは?
すごいプロジェクトだと思いませんか。
その希望学は、「希望を社会科学する」学問です。
ついに希望を科学するような世の中になったのか、諸外国の事例は知りませんが、
「当たり前」のようにあると思っていた「希望」だけに、おやじは複雑な気持ちになります。
おやじの世代では、「未来は明るい」という前提で生きてきました。
希望があるから、進学、就職、結婚、と生きてきたように思います。
進歩や成長という言葉を信じて成長してきたおやじ世代の前提がグラつくようになりました。
昭和の時代、「希望は存在」していたのです。
「三丁目の夕陽」がおやじ世代です。
努力すれば、「今よりいい生活」が出来ると信じていました。
おやじが興味を持ったのは、このプロジェクトの柱に、岩手県釜石市を対象とした地域調査があったからです。
鉄の街として繁栄し、ラグビーは七年連続日本一。
全国にその名をとどろかせるなど、釜石は、まぎれもなく「地方の希望の星」でした。
この研究が始まったときの釜石は、人口減、高齢化、産業構造の転換など、
日本が課題とする問題を抱えていたために選ばれたそうです。
そこで調査に入ると・・「さびれた地方都市」という先入観をくつがえされたというのです。
釜石の人にインタビューしてみると、地元の人は「下を向いていない」上を向いている。
「希望の灯」が心にあるから・・・調査対象になったのは、この希望だというのです。
数年前の釜石でのシンポジウムで、「釜石に希望はあるか」において
「釜石には希望がある。でも、もっとあるはずだ」と発言が出たそうです。
おやじは、この釜石の人の心に学ぶことがあると思います。
いま、東日本は大変な事態になっています。
日本が学ぼうとした「希望」が東日本にあります。
その心の灯を消してはいけないと思います。
西日本から、岡山から、希望を送り届けましょう。
これから、長丁場の取り組みになります。
幸せの青い鳥で、同胞の心をいっぱいにしてあげたい。
「上を向き、希望」を持つことを、忘れないように。
踏ん張ろう、頑張ろう、ニッポン。