雑誌を見ていたら、気になるタイトルのコラムがありました。「人はバカになるまで出世する」というものです。
松下信武先生の主張をご紹介させていただきたいと思います。
「血筋や縁故によらないで、有能な人材を昇進させる仕組みが、良い組織を作る」という考えは間違っているというものです。
能力主義を採用すれば、能力を発揮し成果を上げた人間がどんどんと出世していきますが、そのうち能力の限界に達して、成果を上げることが出来なくなるということです。
能力がある人も「無能レベル」になり、すべての階層は「無能」で占められるのです。
能力主義というものは、人はバカになるまで出世するというのが、ピーターの法則。
つまり、能力主義では、昇進する前の能力を評価していて、昇進したあとの能力を予測していないということです。
リーダーになる人は「選ばれる」わけですが、その選び方が間違っているのではなくて、リーダーになったあとに何をするかが大切ということです。
たとえですと、勝利したナポレオンも、ロシア遠征で敗れたナポレオンも皇帝でした。
ナポレオンを無能にしたのは、彼の傲慢さだったということです。
ヒトラーや、歴代の人たちも、傲慢になって「無能」になったのです。
係長が傲慢になるより、部長が傲慢になることのほうが危険です。
昇進することと、無能は比例するらしいですわ。
成功するには自信が必要ですが、心理学の世界では「健全な傲慢」と言われているのが「自信」です。やっかいな感情なんですよ。
成功体験が大きいほど、私たちは「傲慢」「不健全な傲慢」に陥り、自分を見失いやすいということです。
優秀な人が、「バカなリーダー」になるわけで、こんなアホを持った部下はたまりません。
避ける方法は3つあるといいますが・・
その1 他の部署との共同プロジェクトに加わり、上司から離れる
その2 より上司との緊密な連絡をとる。しかし、これはリスクが高い。
その3 上司と粘り強く話し合い、チームとして成功するための行動をとる。上司が無能であっても、チームが成功することを優先するのです。
上司が無能でも、部下はコントロール出来ません。そのためにイライラしたり、意欲を失くしてしまうと、部下が無能となってしまいます。
無能な上司に苦しめられている人は、転職しないことが無難といいます。上司が無能だからと転職していては、終わりなき転職となるからです。
上司の心構えは「手柄は部下のもの。失敗は自ら引き受ける」です。
優秀なアスリートは、失敗を自分のせいにはしません。(できませんけどね)自分で改善して、原因を求めるのがアスリートです。
行き詰ったときは「原点に帰れ」です。
能力主義もいいけれど、バカにならないでね。
もしくは、自分と他人の無能に、寛容・おおらかであれかな。
そのほうが生きやすいですよ、チャンチャン。